「おいしい熱中症対策」の“おいしさ”を伝えるには?
千葉:「世界のKitchenから」シリーズは2007年の発売後、順調に売上を伸ばし、固定ファンを獲得してきました。中でも、タイ・チェンマイの塩と果実と氷を合わせたデザート「ローイゲーオ」にヒントを得た果実飲料、「ソルティライチ」は、2011年の発売以降、「おいしい熱中症対策」という切り口で訴求し、塩分と水分がおいしく補給できると、機能面でも支持を集めてきました。
根強い固定ファンに支えられて売上は伸びていますが、いま以上に販売の伸びしろがあると感じていました。この商品は、手摘みで収穫した豊かな味わいのライチと沖縄海塩を使用し、味にもこだわりを持ってつくっています。しかし機能面とは異なり、味のイメージを伝えるのは難しい。まだ飲んだことのない人に、このブランドの“おいしさ”を伝えるにはどうしたらよいか、その方法を模索していました。
昨年末に行った調査では、「お家で作ろう!ソルティライチ」は、割って飲むだけでなく、料理やスイーツに使うなど自分の好みでさまざまな楽しまれ方をしていることが分かりました。そこで、レシピ動画を使って、特に“おいしさ”を訴求しながら、楽しげな演出で新たな層へアプローチできないかと考え、「DELISH KITCHEN」さんへ相談することに。実は、私の妻も「DELISH KITCHEN」さんのユーザーで、生活に浸透しているメディアだと感じていたことも、起用の理由のひとつでした。
三ツ中:今回、いただいた課題に対して、「DELISH KITCHEN」でのレシピ動画タイアップは非常に相性が良いと感じていました。ただやみくもに認知のボリュームを増やすのではなく、生活者の好むストーリーで、今まさにほしい情報として自然に訴求することで、好感度を高めつつソルティライチの“おいしさ”というブランド認知の獲得に貢献できると思ったからです。
狙いの異なる3つの動画で多様な使用シーンを訴求
三ツ中:今回ご提案したのは使用シーンの異なる3つのレシピです。おかげさまで「DELISH KITCHEN」は多くの方々にご利用いただいていることから、ユーザーのペルソナも多様になってきています。今回、幅広いペルソナに訴求できる3本のレシピ動画構成としました。
ひとつが、「DELISH KITCHEN」ユーザーにヒットする傾向の高いレシピである「ソルティライチ香る♪生シフォンケーキ」。2つ目が、SNSでヒットすることを狙った「紙コップで作る♪ソルティライチアイスバー」。3つ目が「ソルティライチ」をお肉の漬け込みに使用した「ソルティライチで♪やみつきジューシーチキン」で、アプリでヒットすることを狙ったものです。結果、3レシピとも狙い通りの効果を実現することができました。
千葉:ユーザーの声から、「ソルティライチ」がさまざまな使われ方をしているのは知っていましたが、提案いただいたレシピを見て「ひとつの飲料がこんな形で食卓に広がっていくのか」と驚きました。どれもお楽しみの要素があるレシピになっていて、まさに好感度を高く維持しつつ、ブランドメッセージの伝わるデジタルコミュニケーションになっているなと感じました。実際、社内のママさんからも「お肉を漬け込む作業はよくやる」「チキンのメニューは子供が喜ぶ」などの声があがり、生活者に浸透しやすいメニューになっているのだと実感しました。
ディスプレイ広告も活用し再生回数は480万回超を記録
三ツ中:動画公開後、ユーザーからは「おいしそう」「(作ってみたら)おいしかった」など、味のイメージに関するコメントが続々と届きました。SNS上では狙い通り「ソルティライチアイスバー」が人気を集め、レシピの再現投稿もアップされています。アプリでは「ジューシーチキン」の再生回数が高く出ました。アプリのお気に入りにも多く登録されており、生活者が何度もこのレシピを見て実際に作りたいレシピだったことが予想されます。
また、3レシピすべてにおいてアプリ内のトップに表示する「ディスプレイ広告」にもご出稿いただきました。ディスプレイ広告とタイアップ広告を組み合わせた配信で、再生回数はトータル480万回を達成。SNS・アプリを組み合わせ、切り口の違うメニューを用意することで、より多くの人にリーチすることができました。結果、動画を見た人のうち9割が「購入したい」と答え、その理由を「おいしそうだったから」と答えた人が7割。当初の狙いであるメッセージが届いたのではと思います。
千葉:レシピ動画を通じて、ブランドが伝えたい「おいしい熱中症対策」の“おいしい”イメージを醸成してもらえたと感じています。5月1日にリニューアルした「ソルティライチ」は昨年同時期よりも売上を伸ばすことができました。制作いただいた動画は、スーパーマーケットで実施する料理教室などでも活用し、さまざまな顧客接点で活用させていただく予定です。
三ツ中:お力添えができて良かったです。今後は、アプリ内のクーポン施策などを通して、「手に取ってもらう」「買って飲んでみる」という購買のシーンでもサポートできたら嬉しいです。