技術力を体感するイベントで新規顧客開拓につなげたい
海鋒:日産自動車では、自動車の技術を用いて人々の体験をよりワクワクするものへと進化させていく「ニッサン インテリジェント モビリティ」の取り組みを行っています。その一環として毎年ブース出展しているのが、テレビ朝日・六本木ヒルズで行われる「SUMMER STATION」。7月~8月の夏休み期間に44日にわたり開催しており、全体で約550万人、日産自動車のブース単体でも約35万人を動員する大規模なイベントになっています。
自動車に対して関心の低い層にも日産自動車の持つ技術を体感していただき、新規顧客開拓へと繋げることが狙い。そこで本年度開催したのが、「はしる!ねんどカー」の企画です。粘土でつくったクルマを“3Dスキャン”し、バーチャルタウン内を走らせて遊ぶ、小さなお子さんを持つファミリー層向けの企画ですが、開催にあたり2つのテーマがありました。
ひとつが、今回のイベントのターゲットであるファミリー層にリーチするには、テレビCMでの告知だけでなく、デジタルメディアも活用すべきだということ。もうひとつが季節柄、台風などの悪天候も見込まれ、かつ東京限定のイベントのため来場できない遠方のお客さまもいる中で、来られない方にも当社が訴求していることをお伝えできないか、ということです。そこで、ターゲット層の来場を促しつつ、イベント内容の紹介にもつながるような動画広告を仕掛けられないかと考え、ママへの高いリーチ力を持つ「MAMADAYS」さんに依頼しました。
今津:自動車の購入に際しては、家計を握るママの意思決定が重要。しかしママたちの多くは、男性と比べると車の技術自体への関心は低いと聞きます。今回のイベントは、子どもの夏休みのお出かけ先としても最適であり、ママと車の良い接点になると感じました。事前にいただいたオーダーは「最新技術を体感できるデジタルコンテンツの内容を伝えつつ、会場での乗り込みも促したい」ということ。実際に制作スタッフがイベントを視察し、ブースで楽しんでいる来場者の方々の様子や表情を見たことで、この様子をそのまま伝えるのが一番ユーザーに響くのではないかと考えました。
小渕:そこで、許可をいただいた来場者の方、特に「MAMADAYS」のユーザー層に近い未就学児を持つママとそのお子さんにインタビューを行い、「はしる!ねんどカー」で遊んだり実際に車に乗り込んだりしている様子を撮影させていただきました。
今津:もうひとつ重視したのは、日産自動車さんの考える「ニッサン インテリジェント モビリティ」のメッセージを、いかにママ向けにわかりやすく伝えるか、ということです。ママさんの日常の視点で受け取りやすい言葉・響く言葉へと変換しながら、動画の中にキーワードを散りばめています。
来場者数は昨年比で108%非来場者にも内容を訴求できた
海鋒:仕上がった動画を拝見して、1分強の動画の中にイベントの全体像がきれいにまとまっていること、そして事前の仕込みは一切なく、来場者の自然な笑顔や言葉を引き出していただいたことに驚きました。
今津:動画配信後のアンケートでは、動画接触者の動画好感度が97%という高い結果に。また、イベントへの参加意向度は90%となり、事前の狙いでもあった来場者増に貢献できたのではないかと思います。
海鋒:当社でも会場でアンケートを取ったところ、来場のきっかけとして「SNSで知った」と答えた人が、全体の来場者の2.5%。全体の来場者数が約35万人なので、これは大きな数字です。さらに、今年は台風が来たため、お盆までの来場者数は前年比でマイナスだったのですが、動画配信した8月9日から20日までの来場者数は昨年比で102%、イベント期間トータルで見ると昨年比108%を達成しました。SNSでの情報拡散が、実際の来場につながったひとつの要因ではないかと思います。
小渕:動画配信後のアンケートでは、フリーアンサー項目の中で自動ブレーキや自動駐車といったワードが書かれており、来場できなかったママからも、深い理解が得られたと感じました。
海鋒:動画広告接触者へのアンケートで、「日産自動車が先進的な技術の会社である」という項目への認知度が98%を達成したことからも、イベントを通じて伝えたかったメッセージやイメージがママにも伝わったのではないかと実感を得ています。今後は、今回の取り組みのように、テレビやイベントなどの企画を単体のメディア内で終結させるのではなく、目的に応じてターゲティングされたデジタルメディアと掛け合わせながら、情報拡散や理解を狙えたら。エブリーさんには「MAMADAYS」以外にもターゲットを絞った媒体がたくさんあるので、今後もぜひご一緒できたら嬉しいです。