コンサルから事業会社であるエブリーに転職した理由。「データを活用して”本質的なDX”を推進したい」

アイキャッチ画像

2020年中途入社

日埜 嘉久

DELISH KITCHENカンパニー マーケティングソリューションズ事業部 事業戦略第1グループ マネージャー

2013年、介護医療領域でITサービスを展開する株式会社エス・エム・エスに新卒で入社し、営業やマーケティング機能の責任者を経験。その後、大手戦略コンサルで、小売・製造・医療業界の市場分析、戦略立案、事業開発支援に携わる。2020年9月エブリーに入社し、マーケティングソリューションズ事業部で、ファーストパーティデータを用いた新規サービス開発、導入顧客へのカスタマーサクセスを担当。現在は、新規サービス開発に加えて、既存広告サービス(主にタイアップ)の商品・営業戦略の策定と、企画実行を統括。

社会課題を解決できる、優れた事業家を目指して

ー日埜さんは現在プロダクトマーケティングマネージャー(以下、PMM)として事業を牽引していらっしゃいますが、そういった仕事を志すきっかけとなった原体験はありますか?

日埜:就職活動をきっかけに自身のありたい姿を考えた時、純粋に、祖父のような優れたリーダーになりたいと思いました。祖父は、自身で不動産会社を立ち上げ、地域課題を解決するための慈善活動にも積極的で、地域の人たちからも信頼を集めていたと聞いています。そんな祖父の姿に幼い頃から憧れていましたね。

キャリアビジョンを言語化すると、「社会にある課題や機会に対して、あるべき姿と解決に向けた戦略を考えて、社内外の関係者を巻き込み、その解決と事業上の収益確保を両立できる、優秀な事業家」です。10年前から今現在にかけて、この価値観は一切変わっていません。

ー新卒ではどんな会社へ入社されたのでしょうか。

日埜:前述のキャリアビジョンを目指す上で、成長する事業領域で汎用性の高いコアスキルが身に付く仕事をしていきたいと思い、介護医療領域でITサービスを展開する株式会社エス・エム・エスへ新卒入社しました。営業やWEBを中心としたマーケティング職として6年半従事し、20代半ばからはマネジメント経験も積むことで大きく成長できたと思います。

ーそこから、コンサルティング業界に転職するまでにはどういった経緯がありましたか?

日埜:事業をゼロベースで創造し、多様な変数を折り込みながら社会に強烈なインパクトを与えられる事業の主体になろうと考えたとき、自分はまだまだ実力不足だと感じたんですよね。包括的なスキルを高めるために、2019年4月から国公立のMBA(経営学修士)プログラムに通い始めました。体系立てられた経営戦略・マーケティング理論の学習はとても楽しかった一方で、学んだ理論を実際のビジネスの場で活用しながら早く習得していく必要があると考え、戦略コンサルティングファームに転職しました。

ーそこではどんなことをされていましたか?

日埜:戦略コンサルタントとして幅広い業界の経営層などのクライアントに対して、新規事業や、中長期の事業計画を策定・提案していました。相手の期待値を上回るアウトプットを出すというプロフェッショナルとしてのスタンスと、論理的思考力や論点設計力などのベーススキルを徹底的に鍛えられたなと感じます。


 

自社独自のデータを活用して、”本質的なDX”を推進したい

ーコンサルティングファームから、事業会社であるエブリーへ転職された理由は何でしたか?

日埜:データを活用し本質的なDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する事業に、主体として携わりたいと思ったからです。様々なプロジェクトを通して、米国や中国、イスラエルなどのDX先進事例を集めているうちに、データを活用した事業創造の可能性を強く感じるようになりました。業界で独自性のあるデータを有し、産業構造の転換をリードできるようなポテンシャルがある事業会社を調べた時、エブリーに出会いました。

ー本質的なDXとはどのようなことを指しているのでしょうか?

日埜:そもそもDXとは、「データとデジタル技術を活用し、ユーザー起点でビジネスモデルを変革することで、競争上の優位性を確立すること」です。そのため、一部の業務プロセスに対する「デジタイゼーション」とは粒度が大きく異なります。「紙の電子化」「顧客情報のデータ管理」「単純作業の自動化」等、数多くのサービスがDXを標榜しており、局所的な業務効率化やコスト削減のみが目的となる純粋なデジタル化ももちろん大事ではありますが、より一段階レイヤーを上げた本質的なDXを推進することが必要だと考えています。

消費者ニーズが多様化する中で、「モノを所有するのではなく、コトを体験・共有する」という考え方の下、海外発のサブスクリプション型のサービスが伸びていますが、これらはユーザー起点でのDXを成功させた好例だと考えています。国内のFMCG(日用消費財)領域において、このようなスケールでのDX事例はまだないと考えており、エブリーが主体になって事例作りを行っていければと考えています。

ーそのようなDXをエブリーで目指せると考えた理由は何でしょうか?

日埜:エブリーの『DELISH KITCHEN』では、FMCG領域のクライアントに対して、認知・興味・購買促進のフルファネルのマーケティングソリューションを提供しています。また、オンライン上だけでなく、デジタルサイネージをはじめとした店頭販促もカバーしており、小売領域も巻き込んだOMOの推進に力を入れています。

サービス提供の過程で、食に関連するユーザーの膨大なファーストパーティデータを蓄積してクライアントの精緻なマーケティング活動を支援しつつ、ユーザーに対しては日々の食提案のパーソナライズ化を進めることで、三方良しの関係性が築けると考えました。

関連記事:「DELISH KITCHENが目指す、食におけるOMOの顧客体験サービス」とは何か。OMO事業部長の鵜飼がインストアテック2019で登壇しました | every.thing(エブリシング)| エブリーのこと、ぜんぶ

 

ーエブリーではどような業務を担当されていますか?

日埜:2020年9月に入社し、「DELISH KITCHEN CONNECT」の事業企画を起点として範囲を徐々に広げ、現在は主に3つの業務を担当しています。

1つは「DELISH KITCHEN CONNECT」のサービス責任者として、営業やカスタマー・サクセス(CX)のディレクション業務で、2つ目はタイアップ広告のサービス責任者としての課題分析や成長戦略策定などです。
また3つ目は、中長期の発展のための新サービス開発およびアライアンスの領域で、購買データ紐付けによるLTV分析や、販促サービスの開発などの業務を担当しています。

関連記事:半年でフォロワー数20倍以上!クライアントの顧客獲得・ファン形成を支援する「DELISH KITCHEN CONNECT」 | every.thing(エブリシング)| エブリーのこと、ぜんぶ



エブリーだからこその強みとは

ーデジタルマーケティング市場は現在どのような状況でしょうか?

日埜:サードパーティクッキーの廃止等、データ規制の強化に伴いマーケティング手法が見直され、ファーストパーティデータやゼロパーティデータの重要性が高まっています。クライアントがオンライン上で直接ユーザーとのつながりを強化するCRMマーケティングが加速し、新規ユーザー獲得(認知〜購買)に加えて、ユーザーのロイヤル化(継続購入・クロスセル/アップセル)までシームレスにしたいというニーズが高まりを見せています。結果、マーケティングの指標としても「リピート率向上」「LTVの最大化」「顧客データ活用」などのキーワードと共に、顧客との関係強化が注目されるようになりました。

ーそんな中、エブリーだからこその強みは何だと思いますか?

日埜:食関連メーカー(食品、飲料、調理家電、キッチン用品メーカー等)、食品小売業界において、ファーストパーティデータを活用したマーケティングDXを主導できる素地があることです。
例えば、先日リリースをした「DELISH KITCHEN CONNECT」では、アプリDL数2300万人超というユーザー基盤を活用し、ユーザーの情報収集〜購買行動を統合することで、マーケティング調査・施策の立案・広告のターゲティング配信・効果検証を一気通貫で実現できます。このサービスでは、「ユーザー単位の態度変容分析に基づく配信コンテンツの最適化」や、「継続的な取り組みによるLTV効果の可視化」をすることができ、新規ユーザー獲得と既存ユーザーのロイヤル化の両方で精緻なマーケティング活動を支援しています。

また、データに基づき、課題に応じた包括的なマーケティングソリューションを提供するためには、組織能力(データ量/質、アクセスのしやすさ、専門性の高い人材)が極めて重要だと考えています。
『DELISH KITCHEN』では、累積数億以上のレコードが存在し、アプリ特有の高解像度のデータを保有しています。それらの膨大なデータ基盤が整理された状態で存在し、社内の誰でも正しく扱える環境が整いつつあります。これらを活用し、データストラテジスト・事業企画・カスタマーサクセス、営業が密に連携することで、クライアントのマーケティング活動の意思決定に有用な示唆を提供できる場面が増えてきました。

ーエブリーでPMMとして働くやりがいを教えてください。

日埜:2点あります。
1つ目は、『DELISH KITCHEN』のデータ基盤を活用し、50兆円超の内食市場(食品メーカー・卸小売)で、業界全体のDXを牽引できるポテンシャルがある点です。外食市場では有力なWebやアプリサービスが出てきていますが、内食市場ではクライアントの利益創造まで踏み込んだ有力サービスはほぼないと考えています。このような分野で挑戦できる点は、大きなやりがいに繋がっています。

実際、商談をさせていただいたクライアントからは、“ロイヤルティの可視化によって、社内説明ができるようになった” ”マーケティング効果が可視化され、他のメディアでも活用可能な有益な示唆を得ることができた“等、有難い評価をいただいています。まだまだプロダクトとして完成しているわけではないので、開発・営業・カスタマーサクセス・データストラテジストと連携しながら、より高い付加価値を提供できるように、サービスをより良くしていきたいです。

2点目は、人の成長に期待し、その時点での能力を上回る裁量を任せる風土です。
エブリーはベンチャー企業の中でもグロースのフェーズにあり、有望な事業機会に対して積極的な投資を行っています。そのため、手を挙げれば大きな裁量が任され、成果を出せば短期間で役割を拡張していくことができます。業界の複雑性に対して、まだ思考が及んでいない部分も多々ありますが、能力を若干上回る負荷に対する反発力で、自身のビジネススキルが加速度的に成長していることを日々実感しています。

ー今後、目指していくところを教えてください。

日埜:「DELISH KITCHEN CONNECT」を利用いただくクライアントの更なる拡大に加えて、LTV可視化や販促支援等の新サービスの高度化に、引き続き取り組んでいきます。データに基づいた包括的なマーケティング支援を進めていく上で、広告宣伝・販促の上流に位置する商品開発の領域にもチャレンジしていきたいと考えています。

また、クライアントに対する包括的なマーケティング支援を実現するため、アカウントエグゼクティブ(AE)とカスタマー・サクセス(CX)のスキルの高度化に注力しています。質の高いサービスを再現性高く提供していく上で、ヒアリング力、企画・提案力、分析スキル等、包括的なビジネススキルの学習を支援していきたいと思います。

ー最後に、応募を考えていらっしゃる方に向けてメッセージをお願いします!

日埜:以下のような方には、とてもフィットする環境だと思います!
社会にある課題や機会に対して、テクノロジーやデータを通して解決していくことに興味がある方。クライアントの成功のために、包括的なマーケティング支援をされたい方。ユーザーの「毎日の献立作り・お買い物・料理」を、より良いものにしていきたい方。
事業成長を牽引する上で重要な戦略的思考力を高めたい方。

上記に当てはまると感じた方は、ぜひお話しを聞きに来ていただければと思います。